Interview ~ LOUDNESS 山下昌良 ニュー・シグネチュア・モデル“Red Rising Sun”を語る

ニュー・ヴィジェのサウンドとルックスを体感ショックしに来てください

 さて、今回もデザイン以外は基本的にアルペジ・ベースの仕様を踏襲していますが、アルペジ・ベースのどういった部分が気に入っていますか?

 一番はやっぱりすごく高級なベースなので、お客さんも高いお金を出して買ったのに良い音がしなかったらガッカリするじゃないですか。それに、基本的に楽器って弾かないと鳴りも良くなっていかないんですけど、ヴィジェは買った瞬間から良い音がするので、そこは安心して買っていただけたらと思います。そこが良いところですね。

 市販品もすべて安心のクオリティなのですね。

 同じ音ですしね。そこがすごいです。

 では、そんなアルペジ・ベースの魅力を改めてお願いします。

 まずは音抜けの良さ。それとデッド・ポジションが全くなく、どこを弾いても鳴ります。それは0フレットやネック、独特のフェノウッド指板のお陰やと思うんですけど、それで音の立ちも良くなっていますね。普通ベースって1弦のハイポジションを弾くと、弦が細い分音も細くなるんですけど、ヴィジェは全くそれがなくて1弦のハイポジションでも太い音がするので頼もしいです。また、ちょっとスケールが短くてネックも細いから、すごく弾きやすいですね。女性でも弾きやすいと思いますよ。なんでこれだけネックを細くできるかって言ったら、カーボンが入っているからなんですよね。何ならそのお陰で丈夫ですし。

 ネックの丈夫さを感じることはありますか? 山下さんは国内に限らず海外でもライブをされますが…。

 海外でも何の心配もないですよ。以前バーでセッションをしたことがあって、自分でベースの弦を張り替えたんですが、その時にバーのカウンターから落としたことがあるんですよ。コードを付けたまま弦を替えていたのですが、“山下さーん”って呼ばれて返事をした拍子に足にコードが絡まってしまって、ガーンって落ちて。ちょっとヘッドが欠けたけど、他には何ともなかった。でもヘッドが欠けているということは、それだけ衝撃があったっていうことで、すごい音がしたから。それでもネックは全然無傷だったので、すごく丈夫です。ネック反らないですしね。気温差も大丈夫だし。

 それこそ日本とは湿度なども違う海外にもお持ちいただいているんですもんね…!

 海外とかは2本持って行くことがありますけど、1本でも良いし、予備がいらないっていうぐらい信頼しています。いつも期待を裏切らないサウンドですよ。元々ヴィジェのベースはエクセスから使い始めて、旧仕様のスルーネックのアルペジを使っていたんだけど、現行の(ボルトオン・ネックの)アルペジが出てきてからは、もうこれ以上に好きなサウンドはないなっていう感じですね。

 スルーネック仕様の時とは全然違ったんですか?

 全然違います。サウンドが全く違うよね。旧アルペジはもうちょっと大雑把な音だったので。現行のアルペジは本当によく考えられていて、レーダーチャートで表すと綺麗に円になるような感じです。エクセスはレーダーチャートが縦長で、旧アルペジは横長っていうイメージなんですけど、現行のアルペジは円なので“これ1本でいけますよ”っていう感じです。理想ですね。現行のアルペジ・ベースは楽器フェアで展示されていたんですけど、初めて弾いた時びっくりしたもんね。だから“持って帰ってえぇ?”って聞いたら“楽器フェアが終わるまでダメです”って言われた(笑)。ただ、LOUDNESSのファンでも知っている人は探しているみたいなんだけど、今も僕は旧アルペジを使っているんですよね。どうしてかと言うと、LOUDNESSは一時期ダウン・チューニングの曲が多かったんですよ。20年ぐらい前にそういう時代があったんです。その時の曲を演る時に、現行のアルペジでは対応できないんですよね。旧アルペジならスルーネックだからテンションが稼げて、ダウン・チューニングにしても鳴ってくれるんです。旧アルペジは音が固いからそういうチューニングにも最適で、なかったら困ります。僕が今でもよく旧アルペジを使っているから、ファンは中古で探しているみたいです。

 そうなのですね…! ヴィジェのベースはそれぞれに魅力が違うんですね。

 そうですね、全然違います。エクセスも全然音が違うしね。ディープ・パープルのロジャー・グローヴァーは今でもエクセスを使っていますもんね。

 ちなみに先程アルペジ・ベースの指板の話が少し出ましたが、アルペジの指板には木ではない“フェノウッド”という特殊な樹脂を含んだ素材を使用しているのですが、弾き心地はいかがですか?

 めちゃくちゃ良いですよ。僕はベースを弾く時にリストバンドとフィンガージェット(Greco Finger Jet / FJ-150 Silver)がマストなんだけど、それはスライドを結構するからなんですね。フィンガージェットを使うとスライドが綺麗にできますし、スライドすると色気が出るから多用するんですけど、指板が木だとフィンガージェットをあんまり塗るとベースに良くないのよ。

 なるほど…!

 でもフェノウッドは樹脂だから塗りたい放題。ツルツルにして弾けるので最高なんです。ちなみにリストバンドは僕、ベースに腕を固定して弾くから、ないと摩擦で火傷してしまうんです。だから必要なんですけど。

 木じゃないからこそのメリットですね。

 樹脂だから遠慮なく塗れますよね。木だと、あんまり水分を掛けると良くないですから。

 そうですよね。ところで初歩的な質問になってしまうのですが、そもそもヴィジェを使い始めたきっかけは何だったのでしょうか?

 ヴィジェはロジャー・グローヴァーがエクセスを使っているのをテレビで見て、“えぇ音がするなぁ~”と思ったんですよ。一度使ってみたくて、代理店を調べたら神田商会だと。それで知り合いに頼んでスタジオに持って来てもらって、ボンっと弾いたら一発で気に入りました。で、すぐに神田商会まで買いに行ったんですよ。そしたらエクセスはローズウッド指板とメイプル指板とあって、それぞれ音が全然違うんです、やっぱり。それぞれに良さがあったので、2本とも買ったんですよ。

 本当ですか!

 でもその時は1本分のお金しか持ってきてなかったから、“すいません!”って言ってすぐに銀行まで下ろしに行って、2本とも買って帰りました(笑)。

 そんなエピソードが…! 2本とも良かったんですね。

 2本買うつもりはなかったんですけどね。どっちにしようかなと思ったんですけど、“銀行が近くにあるし、もう両方買っちゃおう”って(笑)。それで買って使っていたら神田商会の担当の人がヴィジェに報告してくれて、“気に入って使ってくれているなら是非エンドースを”と言ってもらえて“ありがとうございます!”ということで。ヴィジェは繊細で大胆ですよ。ヨーロッパの楽器って感じですよね。

 ありがとうございます! それでは最後に、レッド・ライジング・サンが気になっているファンの皆さんにメッセージをお願いします。

 このモデルを手にした方には、間違いなく大満足していただけると思います!

 山下さんのお墨付きですね!

 あとは、6月10日(土)のZepp DiverCity Tokyo公演から始まるライブツアー「LOUDNESS 40+ World Tour 2023 SUNBURST~我武者羅-continue-」でも使う予定なので、是非レッド・ライジング・サンの音を聴きに来てほしいです。ニュー・ヴィジェのサウンドとルックスを体感ショックしに来てください!

 お披露目が楽しみです! 本日はたくさんお話を聞かせてくださり、ありがとうございました。

認定書にサインを入れている様子

Vigier V4ECC RRS MYの詳細はこちら

◇山下昌良(LOUDNESS)

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