Interview ~ SEIICHI 愛用機材紹介

Greco

 OXYMORPHONNや幻覚といったバンドで活躍するSEIICHI。彼は30年もの長きにわたりGrecoを愛用し、現在はカスタム仕様のシグネチュアBg.ベースを中心に、歴代のBg.シリーズのベースを使用している。

 実はBg.ベースの開発にも携わっていた彼に当時のことを訊きつつ、愛機であるシグネチュア・ベースを含む各種Bg.ベースから現行のBg.シリーズ「BGWB22」に至るまで、その魅力をたっぷり語ってもらった。

SEIICHI

オリジナルの形を持っているっていうのは強いですよね

 長きにわたりGrecoのベースを愛用してくださっているSEIICHIさんですが、Grecoとの関係性について振り返って教えていただければと思います。

 Grecoとの関係は、もう33~34年ぐらいになるのかな。僕が20~21歳ぐらいの頃からだったような気がします。その前からバンドをやり始めて、色々な雑誌とかを“このベース、カッコいいな”なんて思いながら見ていたんですけど、ある時DEAD ENDの“CRAZY” COOL-JOEさんがGrecoのTVベースを使っている写真が載っていて。それが、よく思い描かれるゴツい感じのベースじゃなく割とコンパクトなモデルで、その感じがなんか良いなぁと思ったんです。それで当時、そのGrecoのベースを買って使っていたんですよ。そんな中でバンドも段階を踏んでいくうちに、周りのスタッフから“せっかくなのでGrecoブランドを扱っている神田商会に行ってみましょう”と提案してもらって。それが20~21歳ぐらい…その時に初めて神田商会に来ました。Grecoや神田商会とはそこからの付き合いですね。

 30年以上ですか…改めて、ありがとうございます! さて、本日お持ちいただいたSEIICHIさんのシグネチュアBg.ベースについて詳しくお聞きしたいのですが、まずこちらを製作することになった経緯を教えてください。

 元々Grecoのオリジナルで、Bg.ギターというモデルが結構前からあったんですよね。ある時、そのBg.シェイプのベースを新たに作ろうかという話になって、試作品を作っている段階でたまたま声を掛けていただいて。やっぱり楽器のブランドとしては、オリジナルの形を持っているっていうのは強いですよね。それでベースを作るって言うんだったら、このBg.ベースがGrecoのベースのスタンダードになれば良いんじゃないかなぁと思い、試作品を作っているところで僕も色々と口を出させてもらって。色々試作品を作っている中で、どさくさに紛れて“自分用のベースも作ってもらえますか?”みたいな話をしたんです(笑)。そしたら、今後の参考も含めて“じゃあ1本作りましょうか”ということになりました。

 では、Bg.ベースの開発と同時進行で、シグネチュアBg.ベースの製作も進んでいったんですね。

 そうです。何本か出来上がってきた試作品を見つつ、自分のモデルだったらこういう感じでっていうのを色々考えました。実際に木材を選ぶ時も、工場まで行っているんですよ、僕。

 工場まで!

 行かせてもらいました。ボディーのアッシュ材を選ばせてもらったり。

 そうだったんですね。社内にあるSEIICHIさんのシグネチュア・ベースの仕様書を確認したところ、ボディーの材質が“アッシュ(重いもの)”と記載があったのですが、その点もこだわりだったんでしょうか? 重い方がお好みだったんですか?

 実際にどうかは置いておいて、自分が“うわぁ、重い…! これで悪いベースな訳がない!”みたいな、そういう風に思いたかったと言うか。“ベースって重いものだよな”っていう感じで、目の詰まった重い木が良かったんです。それで工場にいくつかある木材を見させてもらって、“じゃあコレで…”なんて言って、色々とやらせてもらいました。

 なるほど…。シグネチュア・ベースの仕様について、他にはどういった部分をこだわって指定されたのでしょうか?

 大きいところではこのポジション・マークかな? 白蝶貝でやってもらったんですけど、これがなかなか大変だったみたいです。白蝶貝っていう材質自体が結構高価なものなので、ご迷惑をお掛けしてしまいました(笑)。

 (笑)、よく見たらヘッドのGrecoロゴも白蝶貝ですね。

 そうですね、一緒です。このポジション・マークのクロスの大きさとかも、紙で出して“これぐらいが良いかなぁ”なんて比較したりですとか、そういうやり取りをしたりもしましたね。

 このクロスのポジション・マークのデザインも素敵ですよね。さり気なくオリジナリティと存在感を放っていて…。このデザインに込められた意味はありますか?

 意味は特になくて、単純にクロスがカッコいいかなっていう(笑)。

 そうですか(笑)。クロスもカッコいいですが、ブラックのボディーとマッチング・ヘッドにゴールド・パーツの組み合わせも良いですよね!

 そうそう、どうせ作るんだったら市販品とは違うパターンにしようかなと思いまして(※市販品はクローム・パーツ)。別にシルバーでもブラックでも良かったんですけど、シグネチュア・ベースは売り物ではないですし、せっかくなら黒にゴールドの組み合わせも良いかなと。それで、見た人がBg.ベースに興味を持ってくれたら良いなと思ったんです。

 市販品はゴールド・パーツではないですもんね。そういったデザイン面も印象的なモデルです。

 シェイプは決まっているので、そういう部分でパッと見の違いを出せればと思いまして。

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