Talk Session ~ 菴-IORI- × 高橋 竜

Rotosound

 ロトサウンドの弦を使用しているアーティストによる対談企画!

 今回はLarme Belladonnaのベーシストで、様々なバンドのサポートやレコーディング等でもジャンルを問わず活動している菴-IORI-とベース&ボーカルとしてトリオ・バンド“竜理長”で活動する他、大槻ケンヂのソロ・プロジェクト“オケミス”やダイアモンド☆ユカイのサポート等でも活躍している高橋 竜の二人に、愛用の弦について語り合ってもらった。

 ジャクソン・ベースにカスタム・ゲージのステンレス弦を採用している菴-IORI-と、リッケンバッカーのベースにビリー・シーン・モデルのステンレス弦やブラックナイロン弦を張って使用している高橋。共にステンレスの弦を使う者同士の対談は一読の価値あり。ステンレス弦が気になる人もそうでない人も、実は他の素材が気になっているという人も、是非チェックしてみてほしい!

菴-IORI-(左)と高橋 竜(右)

“ブリティッシュ・ロックの音じゃん!”と思って、そこからずっと使っていますね(高橋 竜)

 普段どちらの弦を使用していただいていますか?

高橋 竜:僕はビリー・シーンのシグネチャー・セットBS66(43/65/80/110)をメインで使っています。別にビリー・シーンが好きだからこれを使っている訳ではなくて、愛用しているリッケンバッカーのベースは4弦の音が小さいので、“4弦だけちょっと太い弦がどっかにないかな?”と思っていたらこの弦を発見して、“あ、あるじゃん!”となり使い始めました。それまでは45-105を使っていたので、ビリー・シーン・セットの1弦の43というゲージが最初はちょっと違和感がありました。

菴-IORI-:結構細いですもんね。

高橋:細いですよ、43って。あとビリー・シーン・セットを張るようになってから、ドロップDにした時にチューニングが少し安定するような気がしていますね。気休めかもしれませんが(笑)。

 (笑)。4弦が太いセットを探していて、ビリー・シーン・セットに辿り着いたんですね。

高橋:その前からロトサウンドのSwing Bass 66の45-105(RS66LD)を使っていたんですけど、やっぱり4弦の音が小さいなと思っていて、ピックアップの4弦側を少し上げたりだとか色々やっていたんです。“4弦だけ太ければ良いのにな”と思っていたらこのビリー・シーン・セットが登場して、“これだ!”と。それからもうこれ(BS66)です。

 ベースはリッケンバッカーをメインで使用しているんですか?

高橋:そうですね。主にリッケンバッカーのフレッテッドとフレットレス、5弦ベースを使っています。フレッテッドの4弦ベースにビリー・シーン・モデルのBS66、5弦ベースにステンレスのSwing Bass 66 RS665LD(45/65/80/105/130)、フレットレス・ベースにはブラックナイロンのTru Bass 88(RS88LD)を張って使っています。フレットレス・ベースに関しては、ラウンドワウンド弦だと指板が傷付くじゃないですか。なのでフラットワウンド弦を使っていた時期もあるんですけど、やっぱり大変で…。そんな時にテレビでジャズの番組を観ていたら、ザ・デイヴ・ブルーベック・カルテットが出ていたんです。デイヴ・ブルーベックさんがピアノを弾いていて。それを何気なく観ていたら若い人がベースで、リッケンバッカーのフレットレス・ベースを弾いていたんですよ。“あ、リッケンバッカーのフレットレス珍しいな”と思っていたら黒い弦を張っていて、それがこのブラックナイロン弦で。調べたらロトサウンドからブラックナイロン弦が出ているというので使ってみて、それからもうずっとフレットレス・ベースにはRS88LDを張っています。

 高橋さんよりも先に、リッケンバッカーのフレットレス・ベースにブラックナイロン弦を張っていた人がいたんですね。

高橋:いました。デイヴ・ブルーベックさんの息子で、クリス・ブルーベックさん。そういう経緯でこの弦を使い始めました。

 なるほど。IORIさんはいかがでしょう?

IORI:Swing Bass 66のSM66Dというモデルで、ゲージは45/65/80/100です。ステンレス・スティール弦ですね。色々と試させてもらった中でも、ステンレスの弦が音がジャリッとしていてスラップやタッピングをするのにすごく良いなぁと思ったので、これを使っています。

 ベースはジャクソンのコンサート・ベースがメインですか?

IORI:そうですね、基本的にはこのベースですね。どの現場にも合うように、という感じで選んだところはありますね。

 ちなみにお二人ともロトサウンドの弦を使い始めたのはいつ頃からですか? ロトサウンドとの出会いは…。

高橋:出会いは相当前…、僕が10代の時から。イエスとかレッド・ツェッペリンとかイギリスのロック・バンドがすごく好きだったんですけど、みんなロトサウンドを使っていたんですよ。ロトサウンドは当時から日本でもちゃんと買えたんです。なので最初にSwing Bass 66を買って使ってみて、“もうこれブリティッシュ・ロックの音じゃん!”と思って、そこからずっと使っていますね。

 ロトサウンドの弦を手にしたきっかけは、ブリティッシュ・ロックのバンドの方々が使っていたからなんですね。

高橋:そうですね。やっぱり弦ってアメリカのブランドが多いじゃないですか。アメリカのブランドだとカラっとした“カリフォルニア!”っていう音じゃないですか(笑)。けどロトサウンドはくぐもっていて“霧のロンドン感”があるので、この曇り具合が良いなぁと思って使い始めた感じです。当時は紙の箱型のパッケージで、付箋が入っていて“何かあったらここに連絡してください”ってイギリスの住所が書いてあったんです。一度、1弦が2本入っていて2弦が入っていなかったことがあって、そのイギリスの問い合わせ先に連絡しようかと思ったんですけど、その方が高く付くなぁと思って止めました(笑)。

 確かに(笑)。やはりロトサウンドの弦を初めて使った時は衝撃的でしたか?

高橋:“クリス・スクワイアの音じゃん!”って思いました(笑)。

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