Talk Session ~ 情次2号 × ジン

弦の特徴が同じことで、上手くいくこともあるかもしれないですよね(情次2号)

 (笑)。お二人は同じバンドのメンバー同士で共にロトサウンド弦ユーザーですが、バンド内で楽器は違えど同じメーカーの弦を使っている印象はいかがでしょうか?

情次2号:ジン兄とは付き合いが古くて、今のバンドを始める前に所属していたバンドの時から20年以上ずっと一緒にやっているんですけど、これは時期やタイミング的なことも要因かもしれませんが、ロトサウンドの弦に変えたぐらいから今やっているハイダンシークドロシーが“あ、なんかしっくりしてきたな”っていう感じがあったよね。

ジン:そうですね。

情次2号:これは時期的なところも大きかったかもしれませんが。サウンド的にしっくりきたのが同じブランドの弦を使わせていただいているからなのか…、それも1つの要因ではあるんじゃないかなと思いますけどね。弦なので、例えばアンプを変えた時のように音が変わるわけではないとは思うんですけど、影響はあるような気がしています。

 お二人は同時期にロトサウンド弦に移行されたんですよね?

情次2号:そうですね。神田商会から“試しにどうですか?”と声を掛けていただいて、ジン兄と一緒に試させてもらった感じです。今の新しいバンドを始めてすぐは、アンサンブルとかも難しいなと思っていたんですよ。ベーシストとギタリストは前のバンドから一緒のはずなのに、この2人の間でもちょっと阿吽ではいかなくなったなっていう部分がありました。それは音作りの面でも、歌い手とドラマーが変わると音の作り方をちょっと変えなきゃいけなくなるので、“どうしようね”って言ってやっていましたよね。

ジン:そうですね。ギターもベースも竿自体を変えたりして、周りの機材も色々試行錯誤しました。

情次2号:だいぶ変えたり、戻したり…。

ジン:色々やりましたね。

 バンドのアンサンブルは本当に色々な要素が絡み合った上で成り立っているのですね…。

情次2号:でも、バンド内で同じブランドの弦を使ってみるのも良いんじゃないですかね。それで音が劇的に変わるわけじゃないですけど、そこで得られるサステイン感や周波数的な特徴だとかで、プレイもちょっと変わると思いますし。弦の特徴が同じことで、上手くいくこともあるかもしれないですよね。

ジン:イギリスの上品な感じが僕らに合っていたのかもしれないですね(笑)。

 ちなみに、今使っていただいているモデルの他にもいくつか試されたかと思うのですが、どのような印象を持たれましたか?

ジン:僕は最初にSwing Bass 66のRS66LD(45/65/80/105)を使わせていただいたのですが、元々他のブランドの弦を使っていた時から50/70/85/105というゲージをずっと使っていたので、45-105のゲージは扱い辛いとまではいかないですけど、音作りの方向を一度リセットしないといけないなと思ってしまいまして…。おそらくこの50-105のゲージはベースやアンプ、エフェクターの開発者もよく採用しているゲージじゃないかと思っているんですけど、僕もこのゲージの弦をずっと使っていたのでこれを鳴らす手の感じになっているんですよ。それで無理を言って、この50-105のセットを作ってもらったんですよね。

 そうですね、お使いいただいているのはカスタム・ゲージのセットですもんね。

ジン:僕が一番重要だと思っているのが3弦と2弦のゲージの差なんですけど、この差が20以上空いちゃうと、2弦の開放と3弦5フレットで似た音が出ないんですよ。同じ音程なんですけど、音色が変わっちゃうんです。太さが近いと、より近い音になるんですよね。開放弦が使えるかどうかっていうのは結構重要で、レコーディングの時は頑張って弾いても、ライブの時に手が届かないということがよくあるんですよ。

 よくあるんですか(笑)。

ジン:あるんですよ(笑)。ですけど、開放弦でも同じような音が出せるとなると、手を離せるんですよね。

情次2号:ライブ映えするパフォーマンスができるんですね。

ジン:そう、ライブ映えするので。これは決して手を抜いているわけではなくて、見た目も重要なんです(笑)。ステンレスでもニッケルでもこの太さに戻ってきちゃいますね。

 このゲージがとても重要なんですね。

ジン:そうですね。細いゲージも試してみて、確かに弾きやすいんですけど、明らかに“高音弦の音です”っていう風に感じたんですよね。その音を求めるなら、そちらの方が良いと思います。例えば“リードを取る時は1、2弦にいく”っていう人は細い方が絶対押さえやすくて、音も抜けると思うんですよね。僕は割とそこは求めていなくて、3弦4弦と同じ感じで1、2弦も弾きたいと思っているので、50-105が良いんです。

 なるほど。

ジン:本当にコンマ何ミリという違いなので、バンドの中で混ざった音をスピーカーから聴いたらそんなに変わらないのかもしれないですけど、弾き手のテンションもありますので。

 ゲージが違うと弾き心地は結構違いそうです。

ジン:やっぱり太いので。ロトサウンドのレギュラー・ゲージである45-105と比べて1、2弦が太く設定されているので、握力は必要になりますね。右手の力加減も変わってきます。太い方が抜ける音を作るのが難しくなってきますが、僕はその分開放弦を使えるとか、そっちの利点を取りたいんです。

 情次さんはロトサウンド弦をいくつか試してみて、いかがでしたか?

情次2号:僕は最初に黄色いパッケージのRotos R10を使わせていただいて、全然良かったんですけど、比較した時にUltramagの方が持ちが良い気がしたので、こっちを採用しました。ただ、音はどちらも良くて遜色なかったです。特徴はそれぞれちょっと違いますけど、比較してこっちの方が良くないというような感じでもなかったので。Ultramagの方がちょっとロー・ミッド的なところがよく出る感じはあるかな? 粘っこいというか…。

 Ultramagには、52%のニッケルと48%の鉄で出来た“type 52合金”という素材を使っているんですよね。ちなみにRotosはニッケルです。

情次2号:ちょっと粘りっ気のある感じの音と持ちの良さでUltramagを使っていますけど、もしRotosを使ってほしいと言われたとしても普通に使えるぐらい遜色はないです。僕はどちらも好きだなと思いました。好きな中で選びました。

 Ultramagは合金素材で出来ていますが、一般的なニッケルと比べても弾き心地などは変わらないですか?

情次2号:弾き心地はほぼ変わらないんじゃないでしょうか。もしかしたら少し張りがあるような印象はあるかもしれませんけど、本当に遜色なくどちらも良かったです。

 弾き心地の面での違和感はないんですね。

情次2号:そうですね。弦によってはちょっとキンキンするような音がするものもあると思うんですけど、これはそういう感じはなくて、ゴリッとしている印象です。中低音がよく出て鳴りもすごく良いです。僕はピッキングの関係なのか、それとも持っているギターの関係なのか、結構ハイやトレブル、プレゼンス辺りが出ちゃうんですけど、そこがちょっと抑えられている感じもあって良いなって思いますね。今日持って来たグレッチのギター以外にもUltramagを張っているんですけど、他に持っているギターもフレットをステンレスにしていたりして、結構ハイが抜けちゃうギターが多いんですよ。それがちょっと抑えられると言うか、嫌なところは出さないでいてくれます。でも、決して抜けが悪いわけではなくて。ゴツイ音が出る感じがしますね。

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