Talk Session ~ 情次2号 × ジン

ロトサウンドは嫌なところが出てこなかったりとか、上品な味付けがあってすごく良いですね(ジン)

 ありがとうございます! さて、先程も少し話に出ましたが、情次さんはアコギにコーティング弦のNexus Acousticを張ってくださっているということで、コーティング弦はその手触りが気になるという人もいるかと思うんですけれど、その辺りはいかがですか?

情次2号:もう全然違和感は感じないと思いますよ。極端な言い方をすると、コーティング弦と言われて使ってみても、コーティング弦かどうかわからないぐらいの感じですよ、多分。僕は昔、ある雑誌の企画で全メーカーのコーティング弦を試奏してコメントを書く仕事をしたことがあるんですけど、ちょっと前の話なので、コーティング感がめちゃめちゃある製品とコーティング感はあまりないけど持ちもそれほど良くない製品の2派に分かれているような印象だったんですよ。まだコーティング弦に関してはそんな時代だったんですけど、その経験からしてもこんなにコーティング感がなくて、言ってしまえば年に1回しか替えなくて良い程の(笑)、長寿命を実現できているのはすごいと思います。昔のコーティング弦は“コーティングされているな”っていう音がしていたんですよ。何かベチッとするというか、ちょっとナイロンっぽい感じの音だったんですけど、Nexus Acousticはそういう感じも全然ないですし。コーティングのない弦とほぼ変わらないぐらいだと思います。

 では、コーティング弦ということで二の足を踏んでいる人にも勧められそうですか?

情次2号:是非これは使ってみてほしいです。全然良いと思います。僕、何度もパッケージを確認しますもん、“これコーティング弦だよな?”って(笑)。“コーティングだよな…? コーティングっぽくないんだよな”と思いつつ、けど実際に長持ちしているし、やっぱりコーティング弦だなと。とても良いと思います。アコギも音が良いって言われるようになりました。

 絶賛していただきありがとうございます! 音の特徴についてはどのように感じますか?

情次2号:アコギはあまり弾く機会がないので、こだわって弦を探したことは実はないんですけど、何も嫌なところがなく、今まで試してきたコーティング弦と比べてもバランスが良いと思います。特に低いところがよく出るとか、高いところがピキピキ言うとか、そういうこともなくすごく素直な音だと思います。

 サウンドも弾き心地もいわゆるコーティング感はないのですね! さて、ベース弦の話に移りますが、ジンさんはニッケル弦とステンレス弦の両方を使ってくださっていますよね。

ジン:両方張っています。でも、厳密にニッケルとステンレスを弾き比べたら違うんでしょうけど、僕は違う時期に替えて使っているので、あまりそれぞれの弦の違いを意識することはないですね。手触りも両方とも好きですし、音についてもニッケルの方がパリッとしている印象はありますけど、どちらも良い音です。なので、その時手元にある方を張っておけば間違いないなと(笑)。

 ステンレス弦はたまに手触りが得意じゃないという人もいますね。

ジン:硬いかもしれないですけど、僕は誤差の範囲かなと思います。

情次2号:あとはやっぱり、弾き方や張る楽器でも色々変わってくるとは思うので…。でも、そういう僅かな違いの中で色々な種類の弦を出してくれているのはありがたいですよね。選択肢が広がるので。ちょっとした楽器やアンプとの相性だったり、指の感じだったり、そういう微妙な差のところで選べるものがあるのは、かなりありがたいです。

ジン:ロトサウンドの弦は、総じて嫌なところは出てこない印象がありますね。すごくパワーはあるけど低音がモアッとしちゃうとか、抜けて聴こえてパリッとしているけどキンキンするとか、そういう弦もありますけど、ロトサウンドはパワーがあっても嫌なモアッとする感じがなく、本当に嫌なところが出てこないんです。総じてそういう印象です。

情次2号:変なコンプ感でもないんだよね。感じが良いです。

ジン:そうそう、感じが良い。この部分がよく出て良いねっていうより、嫌なところがちゃんと引っ込んでくれています。

 他社の弦と比べてみての印象はいかがですか?

ジン:どちらかと言うと大手メーカーの弦は、どこもちゃんとフラットに全部出てくれる印象があるんですけど、それに比べるとロトサウンドは嫌なところが出てこなかったりとか、上品な味付けがあってすごく良いですね。その大きな味付けの中で、ニッケルだったりステンレスだったり選択肢が分かれていますけど、どれも大きな気品がある印象です。

情次2号:ロトサウンドの弦って、サステインがあるよね?

ジン:そうですね、確かに。

情次2号:サステインも多少技術でどうにかなるところもあるんですけど、それにしてもある方だと思います。

 それもロトサウンドの特徴でしょうか。では、そんなロトサウンドの弦を人に勧めるとしたらどのように勧めますか?

情次2号:その人の使い方やプロかアマチュアかにもよるとは思いますが、まずはギター弦なら黄色いパッケージのRotos R10を使ってみていただくのが良いと思います。Rotosも持ちが良いですし、テンション感も良くてサステインもありますし、そこから勧めますね。それよりももっと長持ちにしたいとか、もうちょっとガッツが欲しいとなったらUltramagとかになってくるんだと思うんですけど、まずはRotosが基本だと思います。

 ちなみにロトサウンドの弦は、どういったプレイ・スタイルやジャンルの人に合うと思いますか?

情次2号:僕は基本的にはロック目線でしか見られないので、ロックにはもちろんUltramagもRotosも向いていると思うんですけど。Ultramagの方がもうちょっとゴリッとしているので、もしかしたらメタルとかにも合うのかもしれないですし。僕なんかはグレッチのギターに合っているので使っています。ロックンロールなグレッチのギターを、もうちょっとハードロック寄りにしてくれている気がするんですよね。だから、持っている楽器との組み合わせにもなってきますね。その方の状況次第ですけど、まずはRotosを使ってみたら良さがわかると思います。他社の弦との比較対象としても良いと思いますし。Ultramagは少し違うタイプの弦なので、こっちが気になるという方は試してみてもらえればと思います。

 ジンさんはいかがでしょうか?

ジン:ロトサウンドは他社と比べると、ベース弦のゲージの構成が選べないくらい多岐に渡っているんですよね。本当に“こんなに分類してどうするの?”ってぐらいマニアックなゲージとかもあるので、これまで使ってきた弦で“ここが物足りない”とか“ここがもうちょっとあったら良いのにな”というのがあった人も、ロトサウンドでは色々なゲージが出ているので試してみると良いんじゃないかと思いますね。

 もっと色々なゲージの組み合わせを試したい人にも良いんですね。

ジン:すごく良いと思います。例えばスティーヴ・ハリス・モデル(SH77:50/75/95/110)ですとか、ビリー・シーン・モデル(BS66:43/65/80/110)ですとか、物凄いゲージの弦を張っているじゃないですか。1弦が30っていうすごく細いゲージもありますし。そういうモデルもあるので、色々なところを試してみたい方に是非オススメしたいなと思います。ベースでこんなにゲージの種類があるメーカーって、他にないので。僕も最初“どんなのが良いですか?”と聞かれてホームページを見たら、“ハァ!?”ってなっちゃいました(笑)。

情次2号:選ぶのが難しいのはあるかもしれないけど、ニーズに合わせられるっていうことだよね。

ジン:すごいことですよ。だって他のメーカーだったら3種類くらいしかないところもザラにあるのに。

情次2号:もしかしたらゲージの違いによって新しいプレイが生み出されて、それがスタンダードになっていく可能性もあるわけですし。面白いですよね。

 確かに! ちなみにジンさんは、主にお持ちいただいたグレコのBg.ベースに張って使ってくださっているんですよね? このベースとのマッチングはどうでしょうか。

ジン:このベース自体がとてもスタンダードというか、ちゃんとずっしり重量があって、パッシブなので割と生っぽい音が出るんですけど、それと非常に相性が良いですね。だからこのベースと相性が良いということは、一般的にスタンダードなモデルとも相性が良いと思うんですよね。もちろんアクティブ・ピックアップのモデルとも合うと思いますし。割と上品な感じがあるので、出力の大きいベースでもちゃんと良い音が出せるんじゃないかなと。オールマイティーな印象があります。

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