Talk Session ~ KATARU × 伊藤 毅

群を抜いて特別感があったのがこのUM45だったんです(KATARU)

 さて、ここからはご愛用いただいているロトサウンドの弦について、伺っていきたいと思います。まず、ロトサウンドに出会ったきっかけは?

KATARU:僕はロトサウンドの存在は知っていましたけど、正直使ったことはなかったんです。神田商会がロトサウンドの取扱いを始めた際に、試してみたらどうかと勧めていただいたので、それで初めて使ってみました。ロトサウンドの弦って、すごく種類があるじゃないですか。それを一通りまではいかないまでも、すごい種類を試させていただいて、その中で一番パンチがある弦に決めました。

 なるほど、それが現在愛用いただいているUltramag弦のUM45(45/65/85/105)というわけですね。色々種類を試されたということですが、UM45以外にも印象的な弦はありましたか?

KATARU:正直悪い弦はなかったです。どれもイケるなと思ったんですけど、群を抜いて特別感があったのがこのUM45だったんです。合う・合わないは人によってあるんでしょうけど、あとは好みですね。最初にいくつか渡された中にUltramag弦は入っていなかったんですけど、後から追加で試させてもらった中に入っていて。それで試してみて、“これだ、これしかないな!”っていうぐらいになりました。

 そんなにビビッとくるものがあったのですね! では、実際に今まで使ってみて、印象はいかがですか?

KATARU:このUM45はゲージが45-105なんですけど、実は僕前まで4弦は100を使っていたんですよ。普段からあまり太くて低い音を出さないので、4弦が太すぎないかちょっと心配だったんですけど、そんなに違和感はなかったです。この弦をそこまで違和感なく使えているのは、音質もあると思うんですよね。すごく太い音が鳴っちゃったら以前までとの違いが出ちゃうと思うんですけど、そこまで感じないので。あとはちょっと太いから(違いを感じたのは)感触だけであって。弦を変えて違いを感じたのはそれぐらいですね。ただ、このUltramag弦はニッケルと鉄の合金素材ということなんですけど、“合金”というのが強そうじゃないですか!

 確かに(笑)。

KATARU:最初にパッケージを見た時点で“これ何ですか!?”って聞いて、よくわからないけどすごいらしいんだという話で“じゃあ、とりあえずこれを…”って、それで使ってみたらもう本当に…。他にもニッケル弦だったりフラットワウンド弦だったり色々試した中で、どれも何も問題はなかったんですけど、ただUltramagのパンチがすごかった。僕はとにかくピックでガシガシ弾いて、あまりエフェクターなどは使わずにタッチで表現しているんです、曲が速いので。出したい時はガーっと弾いて、抜きたい時はハァ~…と弾くっていう感じなので、Ultramagはレスポンスの良さをすごく感じます。この弦はタッチが伝わるのが速いです。ガンッと弾いたらガンッと出ます(笑)。

 Ultramag弦には52%のニッケルと48%の鉄から作られたtype 52合金という素材が用いられているのですが、一般的なニッケル弦とは違いますか?

KATARU:違うと思いますけどね。

伊藤:僕は以前他メーカーのニッケル弦を使っていて、ニッケルでも別に良かったんですけど、年齢が40歳過ぎて50歳にもなってくると弾き方が柔らかくなってきたので、ステンレスが良いかなと思うようになったんですよ。Ultramagがニッケルの合金ということは、ステンレスよりはちょっと落ち着いている感じなのかなと思うんですが、そういう印象ではない?

KATARU:いや、落ち着いている印象は全くないですよ。本当にバッキバキな感じです。

伊藤:あぁ、歳いってるのにイケイケなオッサンみたいな感じですか(笑)。Ultramag弦は弾いたことがないので、今度僕も使わせてもらおう。

 是非! ただ、伊藤さんに普段お使いいただいているステンレス弦のRS66LD(45/65/80/105)は3弦のゲージが80ですが、UM45は3弦が85なんですよ…。

伊藤:別に太い分には構わないですよ。ベースって弦が太いからって低音が出るわけじゃないんですよ。不思議でしょ? 同じメーカーの弦で試したことがあるんですけど、そんなに変わらないんです。スペクトラムアナライザで確認すると、逆に細い方がローが出ていたりするんです。ただ、太いとテンションが強いので、張りがある音がするんですよ。ピアノの低い方の弦ってビンッていう音がするじゃないですか、太い弦はああいうイメージです。でも、だからと言ってローが出てるわけじゃないんですよね。

KATARU:良い話を聞けた(笑)。

伊藤:蛇足ですけど、以前ベーシストの湯川トーベンさんと対談した時に“ちょっとお前のベース弾かせろよ”と言われて弾いてもらったら、それまで僕が使っていたのと全く同じベース、セッティングなのにトーベンさんが弾いた方が音が太かったんですよ。“え?”と思いましたよ。トーベンさんから“お前のベース良い音するな”って言われて、でも僕が弾いたら“あれぇ?”と(笑)。だから、ここ(腕を指しながら)なんですよ。同じ場所で同じセットで弾いているのにトーベンさんの方が全然音が太くて、ちょっと嫌になっちゃって(笑)。それでも、僕らがこうして弦や機材にこだわるのは、余計なことを考えたくないからなんですよ。“これだったら大丈夫、信頼のおける機材だからあとは弾くだけ”っていう風にしておくと、弾くことに集中できる。特にKATARUくんなんかはすごいですからね、ライブの時。うりゃうりゃあ!ってやっているから(笑)。そうやってやるためにも、弾く以外のことを何も考えずにやれるようにしたい。だから我々は信頼のおけるロトサウンドの弦を選ぶんです。

KATARU:なんか、話が締まっちゃいましたね(笑)。

 そうですね(笑)。話をUltramag弦に戻しまして、こちらはType 52合金素材ということで、使ったことがない人にとってはどういう感じか気になるかと思うのですが、実際のところいかがですか?

KATARU:Type 52合金と聞くとすごく特殊な素材のようなイメージを持たれるかもしれませんが、そういうことではなく普通にベース弦として成り立っていて、ただそこにやんちゃな感じが加わってバキッとした音がする印象ですね。そして先程も言ったようにレスポンスが良い。あとは、ベースって土台を支える楽器ではあるんですけど、Ultramag弦を張ると前に出られるような感じがあります。僕はいつまでもチャラチャラとバンドをやっているので、どうしても前に出たいじゃないですか(笑)。プレイとしてもね。

伊藤:出てますやん(笑)。

KATARU:(笑)。そういう人にとっても、この弦はすごく武器になるんじゃないでしょうか。だから、思ったよりも扱いやすい弦です。にもかかわらず、今までと違った感じもある。面白い弦だと思います。

 “Ultramagって何だろう?”と思っている人にも、普通に勧められる弦ということでしょうか。

KATARU:そうですね。すぐにこりゃダメだって外したくなるような弦じゃないから大丈夫だよって。ちょっと使ってみてって言いたいですね。僕はすごくオススメです。

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