Talk Session ~ KATARU × 伊藤 毅

この歳まで生き残っている人って、いるっちゃいるけどいないっちゃいないじゃないですか。皆辞めちゃうから(伊藤 毅)

伊藤:僕とKATARUくんの馴れ初めと言うか、昔から知っているんですけど、接点はあんまりないんですよね。僕がジュンスカを辞めて、それ以降はTHE STREET BEATSとか他のバンドに加入したり、あとはここ数10年ほぼ裏方でどちらかと言うとスタジオワークとライブが半々…ライブの方が少ないぐらいになっちゃったんですけど、KATARUくんはほら、もう新宿LOFTでライブを300回やっている人ですから。あれ、もっとかな?

KATARU:何回やったのかな? とにかく一番やっているんです(笑)。

伊藤:でしょ。世界で一番新宿LOFTでやっている人達だから(笑)。

KATARU:世界で一番(笑)。未だにやっていますからね。マンスリーでやっていますから、今。

伊藤:(笑)。KATARUくんがニューロティカに入ったのって、後の方でしょ?

KATARU:僕が29歳の時に入ったので、ニューロティカが11周年ぐらいの時に加入したのかな。

伊藤:でも相当長くやっているじゃないですか。

KATARU:やっていますね。LOUD MACHINEが解散してから僕は違うバンドでやっていたんですけど、世の中がイカ天ブームがあったりする中で“なかなかいけないな…、20代が終わっちゃうな”と思っていた頃に、ニューロティカのメンバーが3人抜けちゃうっていうことがあって、あっちゃん(ATUSHI)から電話が掛かってきたんです。その時ニューロティカはあっちゃんとJACKieさんが残っていたんですけど、あっちゃんから“JACKieがベースはKATARUが良いって言うから電話した”って。あっちゃんは全然楽器のことがわからないから(笑)。

伊藤:多分、未だにね(笑)。

KATARU:そう(笑)。その当時、僕がニューロティカに加入する時にボーカルのあっちゃんが“俺は歌うことしかできないんで…”って言ったんですよ。“カッコいいこと言うなぁ”と思ったら、本当に楽器も何もできませんっていう意味だったんです(笑)。作られたものを歌うことしかできないっていう意味だったんですよ。自分では曲を作れないからって言われて(笑)。

伊藤:“さん、ハイ”って言わないと、レコーディングでも(歌い出しが)わからなくて歌えないって(笑)。KATARUくんは多分、実質的にプロデューサーだと思うんです。

KATARU:そうなんです、あっちゃんは4つ待てないので(笑)。“ハイ!”って言って教えてあげないと。本当にあっちゃんは音楽が苦手なんだと思う(笑)。でも、だからやっていられるんだと思いますよ。そうだから、いつでも新鮮な気持ちでいられるんだと思う(笑)。

伊藤:(笑)、本当にKATARUくんはニューロティカのプロデューサーですよね。…って、僕らの馴れ初めの説明になっていないね(笑)。

 お二人の馴れ初めは、当時から対バン等を重ねていくうちに自然と…という感じでしょうか?

伊藤:対バンも、何回かはやっていますけどね。存在はお互いに知っていたんですけど、先程も言ったように僕はここ数年は割と裏方に回ってしまって、KATARUくんはロックスターですから。

KATARU:ロックスターって(笑)。だって伊藤さん、気が付いたら(JUN SKY WALKER(S)から)いなくなっていたんですもん。“あれ、いないぞ? 違う人がベース弾いてる”って(笑)。

伊藤:そうそう(笑)。しかも、最近は市川(勝也)くんがジュンスカのベースを弾いていますしね。その割に僕は森くんのソロのサポートをやったりもしていますし。

KATARU:そうなんですか!

伊藤:そう。まぁだから、KATARUくんとはちょこちょこ若い頃から一緒にやっていて、横目では見ていたけれど…って感じでしたね。

KATARU:でしたね。でも最近はほら、facebookの方で…。

伊藤:そう、facebookで繋がっていて。共通の友人が何十人もいるので。

KATARU:ですよね。でも、本当にお会いする機会はなかったですね。

 では今日、この取材でこうしてお会いしたのってかなりお久しぶりなんですか?

伊藤:下手すると10年ぶりぐらいかもしれない。でも今ってfacebookで繋がっているからなんとなく何をやっているのかわかるじゃないですか。“あ、これから名古屋に行くんだ”とか(笑)。僕はあんまり書かないんですけど、ニューロティカやKATARUくんの状況はなんとなくわかるから。共通の友人もいっぱいいますし。あ、そういえばこないだギターの森 純太から、“あっちゃんに聞いたんだけど、KATARUくんと何かやるの?”って言われて“ちょっとロトサウンド弦ユーザー同士で対談するんだけど…”って話をしまして。

 この対談の話をしていただいていたなんて…!

伊藤:どうやら言っていたらしいです。たまたまなんですけど、実はKATARUくんとは使っているケーブルも一緒なんですよ。だから、違う道を歩んできた僕らですけど、ロトサウンドの弦も含めて同じような機材を使っているっていう。

 機材の共通点があるんですね! ちなみに、お互いにロトサウンド弦ユーザーだということをご存じだったんでしょうか?

KATARU:知らなかったです、僕。

伊藤:僕も知らなかったんですけど、ロトサウンドのWebサイトを見てみたら“あ、KATARUくんが出てる!”と思って。

 今回のこの対談も、伊藤さんの方からKATARUさんと話したいというリクエストをいただいて実現したんですよね。

伊藤:そうそう。こんなきっかけでもないと、なかなか声を掛け辛いじゃないですか。ニューロティカの人気にあやかろうとしてるって思われても嫌ですし(笑)。この歳まで生き残っている人って、いるっちゃいるけど、いないっちゃいないじゃないですか。皆辞めちゃうから。だから、久しぶりに話したいなと。

KATARU:そうですよね…、辞めた方が皆幸せになっているし(笑)。

伊藤:そうそう、東京近郊に一軒家買って、“こないだ孫ができたよ”なんつって(笑)。こんな50代後半になって…。

KATARU:本当、そうですよ(笑)。

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